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【新潟】入館料無料!おしゃれレトロな重要文化財「新潟県政記念館」

新潟県政記念館

新潟市中央区は新潟市役所や白山神社が鎮座している地域です。その白山神社の隣に白を基調とした洋風建築のお屋敷『新潟県政記念館』が建っています。

新潟県政記念館

おしゃれとレトロが組み合わさった佇まいは、ロイヤルな貴族が住んでいたであろう優雅さ。もともとは新潟県政の議会場として使われていた建物で、1969年には”国の指定重要文化財”に指定されました。

さぞかし入館料が値を張ると思いきや、嬉しいことに”無料”です。さっそくおしゃれレトロな館内に入ってみましょう!

入り口は正面から左手の石段を上がったこちらから。

入り口

画像を見てお分かりかと思いますが、ちょっとナナメに写っていますね。実は新潟県政記念館の敷地内はレンガで舗装されているものの、まっすぐ均されておらず平行になっていません。ですから平行にカメラを構えても、気をつけないとナナメになっちゃうんですね。

館内は土足厳禁なので、入り口でスリッパへ履き替えます。

土足厳禁

靴は下駄箱に入れればOK。リノリウムの床はスリッパが脱げやすいのでゆっくり歩いてください。

入ってすぐのお部屋は傍聴人控室。室内中央にはガラスケースが置いてあり、ケース内には老舗レストランイタリア軒で大正時代に使用されていたシャンデリア、明治時代のアメリカ製ストーブが展示されています。

シャンデリアとストーブ

また、新潟県会議事堂(新潟県政記念館)新設の発案者である第三代県令永山盛輝と棟梁の星野総四郎のヒストリーなども紹介しています。

傍聴人控室を後にした次のお部屋は研修室です。こちらでは昔の新潟の面影をパネルにして展示しています。

パネル

初代萬代橋の写真も展示されていて、どことなく感慨深い気分になります。パネルからは、まだまだ和と洋が入り混じった街並みが覗えますね。

研修室を出てすぐの場所に2階へ上るための階段があるので上ってみます。階段を見上げると角度が急ですね…。

階段

このように改めて注意喚起がされると、心臓がドキドキしてしまいます。

滑り止め用にスリッパと足の甲を固定するゴムバンドを貸し出しており、それを装着すると歩きやすいです。

レッドカーペットの急階段ですが、ちょっとおもしろい仕掛けがあるんですよ。実はこちらは別名『鳴り天井の階段』と呼ばれており、特定の場所で手を叩くと音が共鳴して聞こえるようになっています。

通常私たちが手を一回叩くと「パン」と聞こえるのは一回だけ。しかしこちらの鳴り天井の階段の特定場所で手を一回叩くと、不思議と「パパパ」という具合に複数の音が聞こえるんです。ホントかな~と思って実際にトライすると音が複数に聞こえました!

天井と両端の壁に音が多重反射すること、つまりは共鳴によって音が増えて聞こえるんですって。ただし構造上、階段中腹の踊り場でしかできません。

ためしに階段の上りはじめと上り終わり部分で実験したものの、階段中腹の踊り場が一番キレイに共鳴しました。新潟県ではありませんが、栃木県日光東照宮にある「鳴き竜」も鳴り天井と同様の原理だそうです。

2階には議員室や知事室、議員控室、応接室などがあります。

こちらは明治時代に県庁で使われていたテーブル&チェアが置かれた委員室。

委員室

室内には大きな暖炉が設置されていますが、こちらを見てあの国民的アニメを思い出した人がいるはず。やなせたかし先生の名作”アンパンマン”のかまどにソックリじゃないですか?やなせ先生は大正生まれの方ですから、もしかしたら似た様な形の暖炉を見ていたのかも。

こちらは県議会の集合写真。

県議会の集合写真

洋風建築に和風の提灯が飾られ、参加者の服装も洋装と和装が混じっています。やはり明治時代から徐々に新潟にも洋風文化が浸透し始めているんですね。

2階応接室付近を観賞していたところ、壺のようなものが置いてある足場を見つけました。読んでみると注意書きがされており、”危険立ち入り禁止”だそうです。

足場の下が空間になっていて、複数の人が通ったら重みで落ちそうです。さらに奥のハシゴのような階段も急で、立ち入り禁止もやむを得ません。

ハシゴのような階段

階段一帯が危険なことは分かりましたが、気になるのがどこに繋がっているのかです。こちらは館内の地図。

館内の地図

壺が置かれた立ち入り禁止の階段がある場所は2階の西階段の隣。西階段自体は鳴り天井の階段のように普通に通行できます。

ミステリーチックで背筋が寒くなったような…、というか訪れた時は晴天でしたが館内の体感気温は寒かったです。新潟県政記念館は1972年から1974年にかけて修復&復元工事が行われているのですが、この工事は”創建時に近い状態”になるよう行われたんですね。

ですから現在の建物から熱を逃がさない工夫が施されていないため、おそらく館内が寒いのだと考えられます。体が寒いのと立ち入り禁止階段の行き先が気になったので、屋外から謎を考察することにしました。

こちらは屋外から写した新潟県政記念館です。

新潟県政記念館

窓の位置や屋根の形から推測するに、どうやら3階は屋根裏のようですね。3階の窓は”鎧窓”、2階以下の窓は”上げ下げ窓”と種類が異なっているんです。結局危険な階段の繋がっている先は考えても分かりませんでした…。ミステリーも解いたことにして館内に戻ります。

こちらが2階奥の傍聴席です。

傍聴席

吹き抜けとなっていて、1階の議会の様子を見学することができます。

傍聴席

2階から議会を見学する形式は現在の県議会と同じですね。

1階の議場に下りて、各議席の様子をご紹介します。正面が議長、その左右が書記、左段には県知事と参与席が配置されています。

各議席

こちらの議席には座っても良いのですが、国の指定重要文化財に気後れしてしまい座れませんでした…。

こちらは昭和40年製の県議会開会音として鳴らされていた号鐘。実際に鳴らしてもOKだったのでそっと鳴らしてみました。鐘は重く深く歴史ある音でした。

号鐘

議場の一角で展示されているガラスケースです。

ガラスケース

中央から左にある円筒形の3つの壺のようなものは何だか分かりますか?

大きいもの2つはイギリス製陶器の”水濾器”で、実際に議事堂で使用されていたものです。環境汚染が現在のように進んでいない明治時代だったので、信濃川の水を汲んでも何とか飲めそう?と思いきや、水質はキレイとは言い難いレベルだったそうです。

この時代には上水道のような環境衛生システムが確立されていなかったんですね。そのため衛生面から水濾器が議事堂に6個置かれていました。ブドウの蔦(つた)のようなデザインがまた優雅、さすがイギリス製。

残りの1つが”陶製弁当箱”です。

陶製弁当箱

現在のお弁当箱はプラスチック製ですが、昔は陶製だったんですね。持ち運ぶには重そうです。4段すべてに施された紅白の濃淡の塗りや模様が美しいですね。内容量は大きさから推測してみましたが、働き盛りの男性が食べる量としてはちょっと少ない印象でしょうか。

1階の応接室から守衛室を見て回って気がついたのですが、こんな感じに天井に装飾が施されていました。

天井の装飾

吊り下げ照明の根元に施されているのは、”天井中心飾り”というものだそうです。天井中心飾りは純和風の浮き彫りで、現在は梅の花(守衛室)、松に帆掛け船(書記室)、猿に栗の木(傍聴受付※施設管理室)の3つしか残されていません。

ほかの部屋にも天井中心飾りがあったみたいですが、図柄が不明で復元は廻縁だけ再現するに止めています。残存の3つの飾りは”梅、松、猿”と重複が見られないため、さらにほかのデザインが施されていたとも考えられます。残っていないのが残念ですね。

いかがでしたか?

オシャレでレトロな外観に対して、内観や設置された展示物からは歴史ロマンが感じられました。明治時代の時代考証を兼ねつつ、新潟県政の歴史を学ぶとおもしろいものが見えてくるのかもしれません。

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